x402 · HTTP 402 を復活させた AI agent 決済プロトコル(総覧)
ウィキ上の位置づけ
本エントリは AI Agent 決済プロトコル全体図 · 7プロトコル俯瞰 の配下にある。同位/対比の文脈として Coinbase CDP · 開発者プラットフォーム · AI agent on-chain ウォレット基盤 と、より広いシステム/規制境界として 決済 と併せて読むこと。
主要事実
- 2025-05 Coinbase がオープンソースプロトコルとして発表 · HTTP 402(1996 年定義以来未使用)を復活させた
- デフォルト決済:USDC on Base · Solana / 他の L2 もサポート
- 決済層はプロトコル非依存 · アプリは Solana USDC / Tron USDT / 任意の EVM L2 に切替可能
- Facilitator モデル:Server が facilitator(Coinbase など)に決済検証を委託
- hot wallet + ERC-4337 SCW をサポート · agent は任意のウォレットで利用可能
- USDC on Base settlement < 2s · Facilitator モデル < 100ms
- 単発 gas < $0.001(Base L2 + 4337 paymaster)
- x402 Bazaar MCP は 10,000+ endpoints を収録
仕組み / 動作原理
AI agent 経済は SaaS サブスクモデルと根本的に噛み合わない。agent は数百の API を一時的に呼び出す可能性があり、API ごとに「登録 + クレカ + 購読 + API key 管理」のフローを通すのは agent には不可能である。必要なのは per-call マイクロペイメント + 即時認証 + アカウント登録不要だ。x402 プロトコルフロー:(1) クライアントが API エンドポイントにリクエスト;(2) Server が HTTP 402 Payment Required + X-Payment-Required ヘッダ(金額・宛先・accepted assets を含む)を返却;(3) クライアントが USDC 送金を構築;(4) クライアントが X-Payment ヘッダ(tx hash / proof を含む)を付けてリクエスト再送;(5) Server が決済を検証 → データを返却。Facilitator モデルにより Server は自分でオンチェーン tx を検証する必要がない — Coinbase / Cloudflare 等の facilitator に委託することで実装ハードルを下げつつ < 100ms に短縮(agent のウォレットは通常 ERC-4337 または ERC-7702 ベースで、UserOp は bundler が処理する)。
起源と進化
RFC 7231 は HTTP 402 Payment Required を定義しつつも “reserved for future use” として空欄のまま残し · 30 年間誰も活用してこなかった。理由は universal payment rail の欠如である。USDC + ステーブルコインがこれを解決した(戦略空間は チェーン × トークン × 戦略のトリレンマ を参照)。2025-05 Coinbase が x402 を spec としてオープンソース化(github.com/coinbase/x402) · デフォルトで USDC on Base にバインド。2025 H2 の初期採用者には Vercel AI SDK / Cloudflare Workers の実験的実装が含まれる。2026-Q1 Cloudflare が x402 を Workers の本番環境に統合 → グローバル HTTP トラフィックの 20%+ がデフォルトで payment rail を備えることになった。2026-Q2 AWS API Gateway も追随。x402 Bazaar MCP は agent-discoverable な有料 API ディレクトリとして 10,000+ エンドポイントを収録している。
関連項目
- Wiki Index
- x402 x Cloudflare / AWS · エッジ層のデフォルト決済コンポーネント
- AI Agent 決済プロトコル全体図
- Privy x AWS Bedrock AgentCore · AI agent 経済のデフォルトウォレットポジショニング
- ブロックチェーン業界はオンチェーンファイナンスとクリプトに分離した
出典
- x402 protocol (Coinbase) — https://github.com/coinbase/x402