MAS Project Guardian 概要
ウィキ上の位置づけ
この項目は フィンテック の配下に位置する。隣接する文脈は 日本金融規制 — トークン・暗号資産・決済に関する法体系、より広いシステム境界は 日本 Stablecoin 法制度の三層構造(JPYC・USDC・Project Pax) とあわせて読む。
[!info] 要約 Project Guardian はシンガポール金融管理局(MAS)が 2022.05 に立ち上げたトークン化資産産業実証プロジェクト — 25+ のグローバル金融機関(DBS / Citi / JPM / Standard Chartered / HSBC / UBS / Franklin Templeton など)が MAS 監督下のサンドボックスで、トークン化された債券、ファンド、外国為替、カーボン・クレジットを試験運用している。アジア主導のトークン化協調センターで、Agorá / Ensemble と共に「アジア三極」のトークン化インフラ分業を形成する。
主要事実
- 2022.05 立ち上げ、第 1 陣は DBS / JPM / Marketnode
- 2022.11 実証 1: JPM が円 / シンガポールドルの外国為替をトークン化(Aave Arc の許可型プール上)
- 2024.03 25+ 機関に拡大、新たにファンド / 外国為替 / カーボン・クレジット領域を追加
- 2024.11 Guardian Wholesale Network 稼働(機関間決済レイヤー)
- 5 大 実証 方向: 債券 / トークン化ファンド / 外国為替 / 貿易金融 / カーボン・クレジット
- MAS は BIS Agorá にも同時参加
- DBS / JPM / Standard Chartered が最も深く関与(3+ 実証 をカバー)
- 全 実証 が MAS 監督下のサンドボックス内、retail エクスポージャーなし
仕組み
Guardian は「トークン化資産のラボ」で、MAS という単一の規制当局が主導するため、中央銀行アライアンスの協調コストが発生しない。25+ 機関が監督下のサンドボックスで 資産クラスごとにライン分けして試行:
- 債券: UBS / Citi のトークン化債券セカンダリー流通
- トークン化ファンド: Franklin Templeton / Schroders / Fidelity International
- 外国為替: JPM / DBS / SBI のクロスカレンシー・アトミック決済
- 貿易金融: Standard Chartered / Ant International
- カーボン・クレジット: シンガポール Climate Impact X (CIX) と連携
Guardian Wholesale Network(2024.11 稼働)は MAS 主導の機関決済レイヤーで、ソブリン CBDC に依存せず、「トークン化資産対トークン化資産」の機関決済インフラを実質的に提供する。MAS 単一規制当局 = 意思決定が速い: Agorá の 7 中央銀行協調コストと比較して、Guardian は年 1 マイルストーン のペース。MAS のリテール / 機関 SC ライセンスの整備は MAS PS Act 概要 と SG MAS DPT ライセンス概要 参照。
起源と発展
2020 MAS がフィンテック・サンドボックス・フレームワークを公表、2022 に Project Orchid(リテール CBDC 研究) + Project Ubin(ホールセール CBDC 初期実験)の 2 ラインを推進。2022.05 Project Guardian を立ち上げ、「トークン化資産」に絞った差別化ポジショニング(mBridge / Ensemble の「トークン化マネー」との分業)。2022-2024 で 実証 数は 3 から 5 領域に、機関数は 3 行から 25+ 行に拡大。2024.11 Guardian Wholesale Network 稼働 → 「実験」から「事実上の 決済レイヤー」へとアップグレード。2025 BIS Agorá との相互接続実験(MAS は同時参加)、Guardian のトークン化資産標準が Agorá のマネー・インフラ上で決済可能となる。
関連項目
- Wiki Index
- アジア・トークン化インフラ三極
- BIS Project Agorá 概要
- HKMA Project Ensemble 概要
- CBDC 多層アーキテクチャ
- 三円 MRA フレームワーク