Privy · Stripe 傘下の埋込型セルフカストディウォレット(総覧)
ウィキ上の位置づけ
本エントリは AI Agent 決済プロトコル全体図 · 7プロトコル俯瞰 の配下に位置する。同位・対照の文脈としては 埋込ウォレットのネットワーク効果 · ウォレット本体ではなくインテグレーターの堀 と、より広いシステム・規制境界としては 決済 と併せて読むこと。
主要事実
- 2021 ニューヨーク設立 · 創業者 Henri Stern + Asta Li
- 2025-06 Stripe に買収される($300-500M と推定)
- 買収時 75M アカウント · 2026-Q1 には 110M+ ウォレットに到達
- 1,000+ developer team が統合
- Self-custodial モデル:MPC + TEE シャーディング · 秘密鍵は Privy 単一ポイントに存在しない
- ユーザー onboarding ~10 秒 vs MetaMask 5-10 分
- 買収前のコア顧客:OpenSea / Hyperliquid / Farcaster / Friend.tech / Toku / Zora
- 2026 Sessions で Multichain balances API を発表
仕組み / 動作原理
ユーザーが email/Google でログインすると、Privy SDK(30 行のコード)がフロントエンドで MPC シャーディング鍵生成を実行する。1 シャードはユーザーのデバイス(Passkey / WebAuthn / Secure Enclave ベース)+ 1 シャードは Privy の TEE(Trusted Execution Environment · AWS Nitro Enclaves あるいは同等)に保管される。署名時には 2 シャードが協調して有効な署名を生成するが、Privy だけでは署名できず、ユーザーも単独では署名できない — 「self-custodial でありながら管理不要」という折衷を実現する(同モデルは ERC-4337 埋込ウォレット採用 参照)。Multichain balances API では 1 回の API 呼び出しで Ethereum / Solana / Tempo / Polygon 等のマルチチェーン残高を取得でき · 開発者がマルチチェーン集約を個別実装する必要をなくしている(下層は チェーン抽象モデル概観 に依存)。体験全体は完全に Web2:ユーザーは seed phrase を見ず · MetaMask をインストールせず · ネットワーク切替も不要 — これが Privy が 110M ウォレット規模を占有する核心である。
起源と進化
2021 ニューヨーク · 創業者 Stern + Li(以前は Protocol Labs)。2022-2024 OpenSea / Hyperliquid / Farcaster 等の dapp と深く統合し · 75M アカウントを蓄積。2024-Q4 Stripe が stablecoin + Tempo + Bridge 買収の連鎖戦略を始動し · ウォレット層が必要になった(戦略全体図は 組込み型ウォレット · Fintech が Web を逆食いする Trojan Horse 参照)。2025-06 Stripe が Privy 買収を完了 · $300-500M と推定(Bridge は $1.1B との対比で · Privy は急成長期だったため評価額は低めだった)。2025 H2 Privy は独立ブランドで運営を続けつつ · Stripe Connect / Tempo / Bridge の内部需要に応え始めた。2026-05-07 AWS Bedrock AgentCore Payments が Privy と Coinbase CDP をデフォルト wallet provider に並列で組み込み — Privy の AI agent 経済インフラにおけるポジショニングが確立された(グローバル機関カストディ5本柱 の従来経路と対比)。
関連項目
- Wiki Index
- Privy x AWS Bedrock AgentCore · AI agent 経済のデフォルトウォレットポジショニング
- 組込み型ウォレットによる Fintech の脱仲介化 · 四強構図
- x402 HTTP 決済プロトコル
出典
- Privy docs — https://docs.privy.io/